隻眼の首領イヴァン

(3)  
最終更新日時:


8/17~8/30
弱ボスのセリフは、記録してないよ。

隻眼の凶狼イヴァン

てめぇ、俺を始末しに来たのか・・・?
とぼけんじゃねぇ・・・大方、街の奴らにでも話が行って”人狼退治”にでも駆り出されたんだろうが。あ?違う?
「自分はある会社の社長から依頼を受けて、イヴァンという人に届け物を運んできた」・・・?
「”アジトカンティーナ”というところに行くよう案内を受けていたが、子供しかいないようだったのでここまで探しに来た」・・・なるほどな。
てめぇ、あのガキ共に会ったのか。ああ”アジトカンティーナ”の5人のガキだよ。


うるせぇ奴らだっただろ。ああ見えても俺の雇っていた傭兵なんだ。悪い奴らじゃあなかったが・・・もう会うこともねぇだろうな。
・・・俺は、もう戻れねぇ。”人狼病”に罹っちまった。この体じゃ、きっとあいつらを八つ裂きにしちまう。
”人狼病”が何かって?・・・そうだな、あるファミリーが開発した「人間を兵器にするウイルス」とでも言えばいいか・
それを打たれた人間は、ある日突然自分の組織の人間を毎晩一人ずつ手にかけ始める。・・・本人の意思とは全く関係なく、仲間討ちをさせんだよ。
・・・組織ってなぁ脆いもんだ。”人狼”になった人間が一人混じるだけで、全員が疑心暗鬼になって面白いように壊れていく。


誰が人狼かも分からずに、お互いのことを疑い会って、つぶし会って、そうしている間にも毎晩仲間が減っていくんだ。
悪魔みてぇな薬だよ。・・・俺と、カンティーナのガキ共が昔いたファミリーが、そいつを作ってた。
もっとも、ガキ共はただ実験に巻き込まれてただけだったけどな。下っ端だった俺がファミリーのやり口に嫌気が差して、ガキごと連れて逃げて来たんだ。
・・・だが、ファミリーを足抜けする時、組の奴らが苦し紛れに打った薬弾に”人狼薬”が混ざっていたようでな。
生憎、解毒剤なんざなかった。俺は今日、夕飯の仕込みをしてたガキに銃を構えそうになったことで発症に気付いて


ガキを殺ろうとするウイルスの作用に死ぬ気で抗いながら、意識があるうちになるべくアジトを離れようとしてここまで走ってきた。
しかし・・・それももう限界のようだ。どれだけ振り払おうとしても、「仲間を殺せ」と命令する声が頭から消えない。
・・・悪いが、てめぇに頼みがある。手に持っているその銃で、どうか俺を撃ち抜いちゃあくれねぇか。
そうでもしなきゃ、俺ぁあいつらを守りきれねぇんだよ。・・・”お嬢”との約束も、守ってやれねぇ。
なぁ、撃てって言ってんだよ。・・・てめえに撃つ気がねぇんなら、こっちから行くぞ!


・・・ちっ、何で殺らねぇ。・・・あ?「お嬢って誰だ」って?
この土壇場に、んな事気にしてたのか。・・・ったく、緊張感の無ぇ奴だな。
だが、せっかくなら話してから撃たれたって遅くねぇかもな。・・・死に損ないの狼の無駄吠えだ、聞いてくれるか。
・・・俺は昔、執事をやっていた。
”執事”なんて言っても、大したもんじゃねぇ。流れ者の荒くれが無理矢理燕尾服着せられて、木偶みてぇに屋敷の端に突っ立たされてるだけだった。


俺を拾った酔狂な屋敷は、その国でもでけぇ医者の家だった。得意先は王族・貴族・伯爵様で、慈善事業に孤児院もひとつ持っていた。
だがそれは表の顔だった。実際は、製薬の技術を悪用しては、毒薬や兵器を売りさばいている、悪名高い”ファミリー”だった。
俺を拾ったのもそのためだ。いつ対抗組織がカチ込んできても家の人間を守れるように、奴らはそこら中に召使の服を着た用心棒を飼っていた。
ヒラッヒラの服を着たメイドも、綺麗な折り目つきの服を着た執事も、みんな目つきを見ただけでカタギのモンじゃねぇって分かった。
誰もが金と力に目をぎらつかせ、抗争の訪れを今か今かと伺っているせいか、屋敷はいつも静かだった。


”お嬢”・・・そこの一人娘で、・・・俺のこの目を奪った女が、無邪気にはしゃぐ声だけを除いてな。
屋敷についたその日、荷物を部屋に運んでいると、俺と3つも違わねぇ女のガキが「家庭教師から隠れたいから部屋を貸して」と言ってきた。・・・それがお嬢だった。
お嬢は俺に名前を聞いた。「イヴァンです」と答えると、珍しい、どういう意味だと重ねて聞いた。
「名無しって意味です」と答えると、お嬢は悲しい顔をした。まるで、この世の全てのものに価値があり、名前が与えられて当然だとでも思っているような顔だった。
お嬢はそれから俺を構うようになった。「イヴァン、棚の上の本を取って」「イヴァン、枝にかかったハンカチを取って」「イヴァン、荷物を運んで」・・・


お嬢は毎度つまらない用事で俺を呼びつけては、用事だけを済ませて帰ろうとする俺を引きとめて話をした。
俺の覚えていない故郷の話、お嬢の家のメイドの話、お嬢が孤児院の子供達をどんなに可愛がっているか、お嬢の父親がどんなに忙しくしているか・・・
お嬢は自分の家が何をしているか、聞かされてはいなかった。武器も毒薬も作っていない、平凡なただの商社だと信じ込んでいた。
俺は、平和ボケの塊のようなお嬢の顔がなぜだか面白くて、飽きなくて、壊してはいけないもののように思えて・・・ただ黙ってお嬢の話に付き合った。
お嬢もそんな俺に気を良くしてか、益々俺を構った。そうして、煙草ばっかでロクに飯も食わねぇ俺を心配して、俺を何度も食事に誘った。


・・・執事の身分でそんなとこに顔出す訳にも行かねぇからって断ったら、あいつ、サンドウィッチまで作って持ってきやがったんだぜ。
しつこいって思うだろ。・・・俺も思った。だが、・・・不思議と悪い気ぁしなかった。
お嬢の様子が変わったのは18の誕生日を過ぎてからだった。
どこまでかは知らねぇが、おおかたは家の本当の仕事を聞かされたんだろう。その日から、お嬢は俺を見つけても声をかけず、避けすらするようになった。
それからしばらくすると、ファミリーの間でもきな臭い噂が立ち始めた。


人の心を操って組織を内部から破壊する新薬の話、その実験を極秘に行う地下施設、孤児院から消える子供・・・
俺の中で全てが繋がり始めた頃には、お嬢は完全に姿を見せなくなっていた。
そうしてある日、最終実験の噂が立った。実験の対象は孤児院に残った5人の子供達で、実験の責任者は・・・お嬢だった。
それを聞いた瞬間に俺の中で何かがふっ飛んで、辺りにいる奴らの胸倉を掴んで施設の場所を聞き出した。
それから俺は、施設を端からぶっ壊して、逃げる奴らをぶん殴って、機械だの薬品だのを滅茶苦茶にしながらお嬢を探した。


・・・お嬢は奥の部屋に一人だけで居た。子供は別の部屋に待たせてある。ここまで来てくれてありがとう。・・・そうお嬢は言った。
お嬢は分かってやっていたんだ。あんなに大事にしていた子供達をお嬢が自分の手にかけると聞いて、俺が黙っていないことを。
そうして、お嬢は謝った。わざと俺の耳に入るように噂を流し、俺をあえて激昂させ、俺に全てを壊させたことを。
「私には父のしていることを止められなかった」、お嬢は言った。「けれども、どうしても終わらせたかった。・・・そのために、あなたの力が必要だった」
「だって、私の味方はあなただけだったから」・・・そう言って笑うお嬢の顔はどこか寂しげで、俺は嫌な予感がした。


それからお嬢は命令した。残った子供達を安全なところへ連れて行けと。・・・自分は残ってファミリーを背負うから、と。
「お嬢、俺と逃げて下さい」・・・思わず、俺は言った。
・・・お嬢はただ、首を横へ振った。「あなたは生きて、子供たちを遠くへ連れて行って」。お嬢は同じ言葉を繰り返した。
施設に残ったお嬢がその後どんな目に遭うか、馬鹿な俺にだって分かった。堪らず、お嬢に駆け寄ろうとすると・・・
お嬢は持っていた銃を俺に向けて撃った。幸か不幸か、弾は俺の頭を外れて近くの鏡台に当たり、鏡のかけらが目に跳ねた。


・・・日傘より重いものを持ったこともねえお嬢様が、慣れない銃で狙いを定め損ねたのか、
・・・銃を撃つ刹那につまらねぇ情が沸いて、わざと弾を外しちまったのかは分からねぇ。
どっちにしろ、そんな情けねぇ腕じゃ、甘い覚悟じゃ、ファミリーの跡目なんで務まる筈がなかった。・・・けれども、
「生きて」ともう一度言ったお嬢の目を見て、俺はもう何を言っても無駄だと分かった。
・・・追手の足音が近づいてきていた。背を向け、部屋を出て行こうとする俺に、お嬢は最後に言った。


「もし、あなたに執事の心が残って入れば・・・私の最後のお願いを聞いて」
「イヴァン、あなたがこれから連れて行く子供たちに、どうか・・・温かい食事と、名前と、たくさんの愛を」
「・・・私があなたに、ずっとそうしてあげたかったように」
俺は返事をせず、扉を閉めた。そうして、ガキ共5人を引っ張って、ルチェルトラの車で真っすぐこの森まで逃げて来た。
・・・話はここまでだ。こんな事、てめぇの頼む義理でもねぇと思うが・・・ガキ共のことだけが気がかりだ。戻ったら他の大人にでも引き渡してくれねぇか。


そうしてくれりゃあ思い残すことあねぇ。さぁ、俺を撃ちやがれ。
・・・どうした、心臓はここだぜ。そんな低くちゃあ俺を殺せねぇ。
そうだ、もっと高くだ。・・・悪ぃが、こっちの目はやめてくれ。いつかお嬢に会った時に、今度こそど真ん中を狙わせてやりたくて取っといたんだ。
・・・おい、いつまで待たせんだよ。でめぇも騎士様なら躊躇してんじゃねぇ。撃て!!!
・・・ ・・・ ・・・っ!!


・・・ぐっ・・・てめぇ・・・
どうして、足を撃った・・・?
何だと?・・・「この銃弾には薬が込めてある」・・・?
「昔人狼薬を開発していた地下組織が製薬会社へと姿を変え、開発した解毒薬」?・・・じゃあ、てめぇは・・・
「自分はこの薬を届けるために来た。凶暴化している可能性を考え、銃弾に込めることにはなったけれど」・・・?


「この銃弾ひとつで、跡形もなく人狼病は消える。・・・そう、社長が言ってた」・・・?・・・なぁ、もしかしてその・・・
・・・社長ってのは・・・
・・・はは、嘘だろ。信じらんねぇな。あの弱っちくて泣き虫のお嬢様が?
笑わせやがる。とっくに野たれ死んだか、殺されたかしてると思ってたのによ・・・
・・・笑わせやがるなぁ・・・


あ?会わねぇよ。今更どういう顔して合えばよいのかも分かんねぇし、何より・・・今のお嬢にゃ俺は似合わねぇよ。
・・・あの声は、カンティーナのガキ共だな。ったく、うるせぇお迎えだぜ。
なに?「まるで本物の家族みたいだ」って?
・・・はは、ガラじゃねぇな。けど・・・
・・・ありがとよ。


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コメント(3)
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  • めぐ No.95761037 2016/04/24 (日) 19:40 通報
    前まであったのにセリフ消えてる
    0
  • ゆーい No.89378505 2015/10/18 (日) 09:27 通報
    なんでイヴァンだけ弱ボスニアの台詞ないんですか?記録し損ねました?
    0
  • 野獣先輩 No.88655604 2015/09/18 (金) 18:25 通報
    弱ボスの台詞は?
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