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慢心のノイズレルム

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1/30~2/13


あらすじ

王国は今日もいろんな人たちで賑わっってるんですのよ!

おや?お店ではお母さんと子供が何やら言い争ってるんですのよ…?



慢心のノイズレルム

今日も街はうるさいノイズにまみれている……鬱陶しいったらない。

どうせ盗んだんだろう!本当に手癖が悪い子だよ。ほら、黙ってないでなんとか言ったらどうだい!

……。

最悪で害悪なノイズが耳に入ってくる……!

待ってください。あなたはこの子の母親……ですよね?子供を信じてあげないんですか?



クククッ!どんなお人好しかと思えば……お前、騎士か?よくそんなんで騎士になれたなぁ!

君は……?

俺はレルムだ。代わり映えしないうるさいノイズに辟易していたが……ククク、今日は面白いやつが現れたな。

まぁ、いい。お前偽善はクソの役にも立たないぜ?さっさとどこかへ消えな。

この子が盗みを働いたなんて証拠はどこにも……!



コイツを見てもまだそんなことが言えんのか!?

っ……!

やっぱり……靴底には仕掛けがありやがった。盗んだってのはこの金か?

返せ!僕の金だ!

クッ……強欲なガキだ。



これでわかっただろう?バカ正直に人を信じたって、なんの得にもならない。

信じるなんてくだらないことで、むしろ損をするばかりだってな。

信じることは……くだらなくない。

苦し紛れの戯言か?こういうクソ生意気なガキは、一度強めに殴られでもしないとわからないのさ。

盗みは悪いことだけれど、暴力では何も解決しない。



綺麗事はもううんざりだ。お前みたいな偽善者を見てると吐き気がするぜ。

ククッ……お前も頑固だな?俺の言うことなんて聞く耳持たないってかぁ?

だがそんな態度もいつまで保つか。ほら、警察が来たようだぜ。ガキ、お迎えだ。

嫌だ!離せ!!!

暴れるんじゃないよ!罪をキッチリ償ってきな!



ハハハハ!滑稽だなぁ……オイ?騎士さんよぉ……この光景を見ても、あのクソガキをかばうつもりかぁ?

ククッ、まだそんな顔ができるとはね……真っ直ぐで疑うことを知らないってか。

……クソ目障りだなぁ。

だが……そこまでして自分を曲げずに俺に突っかかってくるとは……。

さてはお前……俺のことが好きなんだろう?ククッ、図星か?



突然、何を……。

わかってる。わかってる!それ以上何も言う必要はないぜ。

お前、わかりやすすぎるな。わざとらしすぎて笑えてくるぜ。ククッ!

ノイズがなくてもはっきりとわかる。

ノイズ……?



ああ、お前はノイズを知らないのか。

……ククッ、俺は今機嫌がいいから、特別に教えてやってもいい。

ノイズってのはなぁ……他人の感情が勝手に入り込んでくる特殊能力のことだ。

いつもは薬で抑えているが……強すぎるノイズは感情を支配する危険もある。

俺は物心ついた頃、すでにノイズを身に着けていた。



ククッ……これのせいで、だいぶ苦労したぜぇ?

ただな、俺はノイズのおかげで変わった。自信がないガキだった頃の俺から、魅力溢れる現在の俺にな!

お前も俺の魅力にヤラれた口だろう?ククッ。

ノイズには本当に感謝してるぜぇ。みんなすました顔でロクデモナイ感情を抱えてるのがわかったからなぁ!

クククッ、どうした?そんな顔で俺を見て……ああ、見とれているのか?



もうじき薬の効力が切れる。せっかくだから、このまま力を解放してみてもいいな。

え?なぜかって……クククッ、お前のノイズを感じるためさ。

有象無象たちのクソみてぇなノイズなんざどうでもいいが……。

お前のノイズには少し興味がある……ククッ。聞いてみてやってもいいぜ?

さぁ、感じさせろよ……俺に丸裸の感情を……!



決心のノイズレルム

他人の感情が勝手に入り込んでくる特殊能力、ノイズ。それが俺の持つ力だ。

普段は薬で抑えているが……解放されれば何人ものノイズが俺の中へなだれ込んでくる。

ククッ、他人のノイズには興味なんかねぇが……お前のは感じてやってもいいぜ?

恥ずかしがるなよ。俺のことが気になっているくせに……クククッ。

ああ、そうだ。どうせ暇だろう?とっておきの店へ連れて行ってやる。



ん、どうした?……ああ、肩を抱いているのが気になるのか?ククッ……これくらい、いいだろう?

さぁ、行こうか。……ぐっ!?誰だ!この俺に突然ぶつかってきやがって……!

っ……!

……あれは、市場で母親と揉めていた盗人のクソガキ……か?警察から逃げてきやがったのか……?

ハッ!?薬の瓶が……!!!



あのクソガキがぶつかってきたせいで、薬瓶が落ちて割れてやがる!

ククッ、だが……まだ慌てる段階じゃねぇな。

薬の効果が切れるまで時間はある……その間に薬屋へ行けば、なんの問題もねぇ。

だが、もし街中で薬が切れたら……そこらじゅうのノイズが俺に入り込んできて……一瞬で狂っちまうかもなぁ?

ククククッ……おもしれぇ顔だな?そんなことは絶対にありえねぇから、安心しろ。



すみません!うちの子を見ませんでしたか!?

お前は……盗人のガキの母親?

警察署へ向かう途中で、あの子と喧嘩になって……あの子、暴れて逃げ出してしまったんです。

全部私のせいよ!私があの子を育てるのに失敗したから!ああ、どうすればいいの!?

落ち着いてください。一緒に探しましょう。



……クッソ面倒クセェなぁ。

ノイズを使えば、あの子を見つけられるんじゃ……?

チッ……気づくんじゃねぇよ。

ったく……わかったよ。しつこいぜ?お前がそこまで言うなら、ノイズを使ってやる。特別だぞ?

あの子、バイオリン職人になる夢を持っていて……でも私、心配で……修行に出るのを止めさせたんです。



それでグレて泥棒か?……ったく、お幸せなご家族だぜ。

この騎士様に感謝しな。いつもの俺なら絶対にこんなことでノイズを使わねぇ。

……なるべく使いたくねぇんだからよ。こんな力。

じゃあ、いくぜ……ノイズ!

っ……ぐはっ!……ハハッ、薬が切れかけてるせいか、思ってたよりキツいな……。



頭が割れそうだ……どいつもこいつも薄汚い感情垂れ流しにしやがって!

こんな世界、クソくらえだ!!!……グッ、はぁはぁ……!

『ごめんなさい、お母さん……ごめんなさい……僕、悪い子で……』

見つけた!

ついてこい!ガキの居場所がわかったぜ!



グッ……くそっ、余計なクソノイズで思考が……乱れる……ウッ……。

レルム……!

ハハッ。さっき俺を見ていた顔とは、全然違ぇじゃねぇか……大丈夫だ、心配すんな……。

ああ、お前の顔を見たら……急に頭がクリアになった。

こっちだ!俺の思考がクリアなうちに、急ぐぞ!



……あのガキのノイズ、わかりやすいぜ。誰かの……大昔の俺のノイズによく似てやがる……ククッ。

無事だったのね!

母さん……!?

逃げるんじゃねぇ!

!?



テメェの罪はきちんとテメェで受け止めろ!

っ……ごめんなさい……母さん……僕……!

一緒に謝りに行きましょう。

レルム……なんだが嬉しそう……?

ククッ、たまにはこういうのも……悪くねぇかもな。



乱心のノイズレルム

幼い頃に身についた力……ノイズ。

他人の感情が勝手に入り込んでくる特殊能力なんて、俺は求めてなかったが……たまには役立つこともあるようだな。

薬が切れてノイズが暴走しかけて、一時はどうなるかと思ったが……流石は俺!どうにかなったぜ!

ん、どうした?……ああ、俺の顔に見とれていたのか?

ククッ、無理もない。お前は俺のことが好きなんだもんなぁ?



さぁ、思う存分!好きなだけ!見つめていいぞ!

……。

本当に恥ずかしいわ!盗みを働いただけじゃなく……警察から逃げ出すなんて!

っ……。

なんだ?雲行きが怪しいな……。



あなたがバイオリン職人なれるわけないわ。母さんがずっと面倒を見てあげる……だから夢は諦めなさい!

そんな……。

……っ!?……あのガキから、強力なノイズが……流れ込んで……!

ガァァ……ッ!

レルム!?



い、いやだ……ボクの夢を……取り上げないで……!

!?

どうせ……ボクが何をやったって、母さんは認めてくれないんだ……。

ボクが……ダメな人間だから……。

ノイズの衝撃で、あんなに自信満々だったレルムが……。



ごめんなさい。ごめんなさい!ボクを一人にしないで……。

こんな力があるから……母さんはボクを怖がって……閉じ込めたのか……?

っ……はぁはぁ……クソッ!ノイズに……思考を乱された!

ククッ……みっともないところ……見せたな?……はぁっ、はぁ……。

俺の親は……よく怒る人だった。俺は幼い頃から親の機嫌ばかりうかがって……。



本当に……つらかった……周りには誰も味方はいなかった……。

ノイズが身についたのは、幼い頃のそんな処世術のせいじゃないかと思ってる。

グアァッ……ダメ、だ……一瞬だけ、浮上できたが……あのガキのノイズは強すぎる……まだ、思考が……持って行かれる!

……ああ、そうだよ……ボクには自信なんてないんだ。自信なんてない……ただ虚勢を張っていただけ。

格好良い?ボクが?……ハハッ、冗談はやめてくれよ!



レルムは格好良い!あの少年を見つけ出したのはレルムの力があったから……。

無理矢理褒めなくてもいい……ボクのことはボクが一番わかっている!

レルムが知らないレルムのいいところはたくさんある。自信を持ってもいい……!

う、嘘だ……!

アハハハッ……苦しくて……頭がおかしくなっちまったかぁ?そんなふうに俺を認めてくれるやつがいるわけ……ねぇ!



ここにいる!

自信がなくたっていい。レルムはレルムのままで……そのままでも素敵だから……!

ガハッ……あ、ああ……!

あたたかい……まるで太陽みたいだ……傷が、癒えていく……。

……なんだ?何か、音が聴こえて……これは……バイオリン?



まだ試作品だし、音も未熟だけど……あなたに聴いて欲しくて。

綺麗な音色が辺りに響いて……心が洗われていく……。

っ……クソ……どうして……涙が勝手に流れてくるんだ!

本当に素敵な音……。母さん、あなたが離れていくのが寂しくて……ごめんなさい。

僕のほうこそ、泥棒なんてしてごめんなさい……罪はちゃんと償うから……!



フッ……柄じゃねぇが、悪くない光景だな。

全部レルムのおかげだよ。

クククッ!おだてても何もいいことないぜぇ?

……違うさ。あのガキが強いから……運命を掴むチャンスを自分で得たんだ。

そうだとしても、レルムにお礼を言いたい。ありが……



おっと、そこまでだ!

レルム……?

言わなくていい。お前の感情は、俺に流れこんで来てるから。

過去もノイズも悪いことばかりじゃねぇ……少しずつだが、そんなふうに思えてきたかもな。

あの、レルム……さん?ありがとうございます。あなたのおかげで母さんが夢を認めてくれました。罪を償ってからになりますが……。



ハハッ!生意気言ってんじゃねぇよ。テメェの夢に俺は関係ねぇ。

素直じゃない……。

ククッ、うるせぇよ!これが俺さ。ひねくれでクニャクニャに曲がった厄介者が俺!

後悔がないわけじゃねえが……過去もノイズも何もかも……全部引っくるめて、今の俺だ。

本当に……ありがとうございました。このご恩はいつか……。



ああ、そんなもんはいらねぇよ。だが、いつか最高のバイオリンの音色を俺に聴かせろ!

ククッ……今はまだ眩しくて直視できねぇが……俺もいつか……あんなふうに……。



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