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愛求める人形エファル

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8/31~9/14


セノーテの泉については、こちらを参考にして下さい。→セノーテの妖精カノン


生き写し人形エファル

むにゃ・・・あれ?君は誰・・・?

僕はエファル・・・ねぇ、お父様はどこ?

このトランクの中で眠りに就く前、ゆっくりおやすみって言ってくれた僕のお父様・・・。

お父様をしらないの?とっても有名な人形師なんだよ。ところで、君は誰?

ねぇ、ここってどこなの?随分埃っぽいね。え?古道具屋・・・?



僕のトランク、どうして古道具屋なんかに置いてあったんだろう。

僕はお父様の亡くなった息子に似せて作られたんだ・・・そう簡単に手放すはずがないよ!

そういえば・・・あのさ、今日って何年の何月何日?

・・・えっ?僕が眠りに就いてから、もう百年以上経ってるの!?

どうりで・・・君、おかしな服を着ているし、妙な物を持っていると思っていたんだ。



お父様・・・きっともう死んじゃってるよね・・・こんなに時間が過ぎたんだもの。

悲しくて悲しくてしょうがないのに、僕は人形だから涙を流すこともできないや・・・。

慰めてくれるの?ありがとう・・・。

でも、いくら慰めてもらっても、お父様にはもう二度と会えない。その事実は変わらないんだ・・・。

・・・そういえば、お父様に昔、寝物語で聞いたことがあるよ。



物に真の命を与える力を持つ精霊が住むという場所、命の泉のことを・・・。

そこへ行けば、もしかしたら僕も人間になることができるかもしれない!

僕は、お父様が愛した息子の姿を模した人形。

だから僕が命を得ることができれば、僕は真の意味でお父様の息子になれるんだ。

お父様の愛した息子の命を、次の世代へ繋げられるかもしれない・・・。



行こう、命の泉を探す旅へ!えっ、君もついて来てくれるの?心強いよ、ありがとう!

昔お父様に聞いたんだけど、村はずれに住む魔女はなんでも知っているらしいんだ。

命の泉の手がかりも、知っているかもしれない!

木々が生い茂る、深い森の奥・・・村はずれって言うだけあって、誰もいないみたい。

本当にこの辺りに誰か住んでいるのかな?気配がまったくしないけど・・・。



あ、あれを見て!煙突の煙が見えるよ。きっと魔女の家があの辺りにあるんだ!

魔女ってどんな姿をしているのかな?化物みたいだったらどうしよう・・・。

君が一緒でよかったぁ。一人だったら、怖くて尻込みしていただろうから・・・。

さぁ、扉をノックするね・・・。こんにちは!初めまして、僕エファルって言います。

知りたいことがあってお訪ねしました。ここを開けてくれませんか?



こ、こんにちは・・・あなたが魔女さんですか?

案外、普通っぽいんですね・・・魔女っていうから、もっと恐ろしい人を想像していました。

え?聞きたいことは何かって?あの、その・・・命の泉って・・・知ってますか?

物に真の命を与える力を持つ精霊が住んでいて、そこに行けば・・・僕、人間になれるかもって・・・。

どうしたんですか?悲しそうな顔をして・・・。



『そんな都合の良い場所はない』・・・?う、うそだ!お父様はあるって話してくれた・・・!

おとぎ話、夢物語・・・心のどこかではわかっていたんだ・・・でも、信じたかった・・・。

僕は一体、これからどうすればいいのかな・・・。

お父様もいなくて、眠っている間に時間は過ぎて、知らないことだらけ。

独りぼっちでずっと生きていくしかないの?



『父親がお前をとても愛していたから、お前はそうやって意思を持てたんだよ』かぁ・・・。

確かに、その通りかもしれないね。

例え人間じゃなくても、お父様の”愛”を次の世代へ繋いでいけるのかな?

きっとできるって、僕は信じたいなぁ。

そうだ!お父様が店をやっていた場所・・・今は空き家になっているらしいんだ。



どこで玩具の修理屋さんを始めるっていうのはどうだろう・・・?

お父様からもらった人形への”愛”は僕が一番知っているから。

その”愛”を、今度は僕が代わりの他の玩具たちに伝えていく。

僕もお父様みたいに、大勢の人を僕のお店で笑顔にしたい!

天国のお父様も、どこかで見ていてくれるといいな・・・。僕、がんばるよ!



目覚めの妖精エファル

ふぁっ・・・誰だい?気持ち良く眠っていた僕を起こしたのは・・・。

僕?僕は妖精のエファルさ。え?不機嫌そうだって?当たり前だろ・・・安眠を妨げられたんだから。

待ってくれ、ここは一体どこなんだい?僕はセノーテの泉にいたはずなんだけど・・・。

ここは森も泉もないし、動物もいない・・・空も灰色で、空気が濁っている。

あっ、そうだ・・・僕、誰かに誘拐されてトランクに詰め込まれちゃったんだった!



泉でいつものように遊んでいたら、急に後ろから袋を被せられて・・・。

気づいたら、このトランクの中さ。真っ暗だし、中はずっと揺れていて・・・眠くなって寝ちゃったんだ。

ということは、君が僕を誘拐した犯人!?

・・・違う?嘘なんてついても無駄だぞ!往生際が悪いな!

誤解?ぶつかった拍子にトランクを取り違えてしまった・・・?



トランクがとても良く似たデザインだったから、開けるまで取り違えたことに気づかなかったというわけか。

もしそれが本当なら、君も荷物を失くして困っていたんだね。

そんなに悲痛な顔をしないでくれよ、信じる!信じるから・・・!

それにしても、どうしよう・・・君はセノーテの泉への行き方、知らないんだもんね?

はぁ、泉へ帰りたいなぁ・・・きっと仲間たちも心配してると思うんだ。



な、泣いてなんかないよ!君の気のせいだろっ!あーあ、犯人なら・・・きっと泉への行き方を知っているはずなんだけど・・・。

えっ?協力してトランクを持っている犯人を探し出そう?・・・こんなに広い場所で、見つかるかな?

二人いればなんとかなる、かぁ・・・君って随分と前向きなんだね。ふふ、そういうの嫌いじゃないよ。

君も僕も、犯人の顔は見ていなかったんだよね・・・じゃあ、手がかりはトランクだけか。

すみません、このデザインとよく似たトランクを持った人を見かせませんでしたか?



うーん・・・やっぱりそう簡単には見つからないみたいだ。

わっ、君!僕の羽根にぶつからないよう気をつけて!妖精の羽根から出る粉を浴びると、体が浮いちゃうんだ。

・・・見ていて、この小さなねずみにふりかけてみると・・・ほらね!

あはは、随分と驚いた顔をしているね?・・・大丈夫だよ、時間が経てば効果は弱まっていくからさ。

はぁー・・・なかなか見つからないなぁ。ちょっとお茶していかない?



あ、ねぇねぇ!あのトランク・・・デザインがそっくりじゃない?

すみません!あなたのトランクの中身、見せてもらえまえせんか?取り違えられちゃって、困っているんです。

わぁっ!?なんだこれ・・・!?い、犬・・・?ペットをトランクに入れて運んでいたの!?

やっ、やめろぉ・・・僕の顔を舐めないでぇ・・・!

はぁ・・・酷い目にあった!犬って怖い生き物だなぁ。



あれ・・・もしかして、今度こそ・・・本物の犯人かも!

汽車に乗るつもりみたいだ。僕たちも急いでチケットを買おう!

やっぱり、近くで見てもデザインがそっくりだ。持っている人の顔は・・・ロープを着込んでいて、見えないなぁ。

もしまたあのトランクの中身が犬だったら嫌だなぁ。

え?次こそは大丈夫だって?そうだね・・・それに、確かめてみなくちゃわからないしね。



すみません、トランクの中身を見せてもらえませんか?こっちのと取り替えられちゃって困っていて・・・。

わっ!いきなり何をするんだ!こいつ、僕を捕まえようとした・・・!?

投げ出されたトランクがぶつかって、中身が飛び出してきたぞ!服に歯ブラシにお菓子・・・これ、君の荷物で間違いない?

やっぱりこいつが犯人か!わわっ、攻撃してきたぞ!避けろ!

一方的にやられるなんて我慢できないからね!それっ!妖精の粉を受けてみろ!



ふふふ、無様に汽車の天井まで浮かんじゃって・・・上手く身動きが取れないだろ?

今のうちに、警察を呼ぼう!早く、早く!

よかった・・・無事に犯人は捕まったし、君のトランクも戻ってきたね。

セノーテの泉への行き方も確認できてよかった・・・!



これでようやく泉へ帰れるよ!一緒に犯人を捜してくれて、ありがとう。

ずっと早く帰りたかったけど、君とさよならするのは少し寂しいなぁ。

君も泉への行き方、聞いていたよね?気が向いたら遊びに来てよ。

セノーテの泉は、心が綺麗な人にしか見えないんだけど・・・きっと君なら見えるはずだよ。

仲間たちも君みたいな子なら歓迎してくれるはずさ。

さてと、そろそろ帰ろうかな!

さよなら・・・は、言わないでおくよ。またね!



愛求める人形エファル

うぅ・・・うぅ・・・涙が止まらない・・・あとからあとから溢れてくる。

そこにいるのは誰!?・・・君は・・・人間?森の奥から鳴き声がするから、確かめに来たって?

初めまして、僕の名前はエファエル・・・見たとおり、ここに捨てられた人形さ。

ここはね・・・『モノの墓場』なんだ。

よく見てよ、目の前のガラクタの山・・・壊れた家具や玩具がこんなに・・・。



全部、昔は人間に大切に使われていたモノだよ。

この『モノの墓場』に辿り着いたモノたちは、長く使われ命を授かっているんだ。

でも、捨てられたせいでみんな愛に飢えていて・・・心で涙を流し続けている。

哀しくて哀しくて死んでしまいたいくらいなのに・・・モノである僕たちは死ぬことすらできない。

僕も持ち主に捨てられて、巡り巡ってこの『モノの墓場』にやって来たのさ。



だから、ずっと彷徨い続けてきたんだ。

ようやく辿り着いたこの場所も、哀しみに溢れすぎていて・・・僕の心は休まることがない。

ああ、僕がもし人間だったら、何もかも終わりにできるのに。

このまま僕は永遠に墓場で泣き続けるしかないの?

どうしたのさ、突然僕を拾い上げたりして・・・



『墓場のモノたちを綺麗にして、修理して、街の近くで露店を出す』

『そして綺麗になったモノたちを、新たな持ち主の元へ送り出すつもり』だって・・・?

ははっ、随分と大仰なことを考えるものだね。

もし新しい持ち主が見つかったとしても、同じことの繰り返しさ。

また捨てられて、この墓場に戻ってくる未来が見えるよ・・・。



僕はまたここで泣き続けるしかなくなるんだ。

長い間泣き続けていたせいで、すっかり笑い方も忘れてしまった。

え?思い出せって?一体何を思い出せっていうんだよ。

以前の持ち主から大切にされていた頃のことを・・・?

嫌だよ!思い出せば思い出すほどに、今の自分が惨めで堪らなくなるんだ。



でも、幸せな時間だったろうって?・・・そうだね、それだけは本当のことだ。

・・・こんな卑屈な僕の顔を、拭いてくれるのかい?服も、新しいものを・・・。

僕みたいな捨てられていた人形に、新しい持ち主は現れるのかな?

綺麗に磨かれて、他のモノたちとこうして並べられると、なんだか新鮮な気分だ。

ああ・・・こんにちは、小さなお嬢さん。僕のこと、気に入ったのかい?



君のおうちへ連れて行ってくれるの?本当に?

僕の初めての持ち主だったあの子も、こんなふうに僕をじっと見つめていた。

嬉しくて楽しくて本当に幸せな時間だったよ。

自分は人間ではないから、この気持ちは本当の愛ではないのかもしれない。

でもあの瞬間は、確かに満たされていて、とても幸福だった。



もう一度・・・信じてみてもいいのかな?まだ少し、怖いんだ。

もしまた捨てられても、君が拾ってくれるの?

ふふ、君の言葉なら・・・信じられるかもしれないな。

でも・・・このお嬢さんのキラキラとした優しい瞳・・・この娘はきっと、僕を捨てたりしないよ。

僕は愛を知らない人形だけど、もう不幸な人形じゃないって思ってもいいかな?



だって君みたいな友達ができたんだから。

僕は君に教えられたんだ・・・行動次第で運命は変えられるって。

君に出会わなければ、きっと僕はずっと『モノの墓場』で泣き続けていた。

でも君が僕の運命を変える手助けをしてくれた。

ありがとう・・・心から感謝しているよ。人形の僕に心があるかはわからないけど。



ふふ、僕にはきっと心があるはずだって?そうだといいな。

じゃあ・・・そろそろ僕はこの娘と一緒に行くよ。

なんとなくだけど、君にはまた会える気がするんだ。

そのときは、もっと上手に笑えるようになっているといいのだけど。

今でも十分素敵な笑顔?・・・ありがとう。

さようなら、僕に愛を分けてくれた人!



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