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第一章 はじまりの花言葉

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9/15~9/28

次章→第二章 門番の男

途中までは、ボスの台詞は同じです。


真実への旅立ちロゼ

んっしょ、んっしょ・・・

ふぅ・・・12345678。これで椅子は人数分揃ったんですの。

・・・え?6人なんですの?8人じゃなくて?せっかく重い椅子を運んできたのに・・・

あ、垂れ幕が・・・ねぇ、マーリン、垂れ幕が傾いてるから直してほしいんですの。

もうちょっと下に・・・あぁ、マーリン!箒がカーテンに引っかかってるんですの!あ、垂れ幕はぴったりですの!



ありがとうですの、マーリン!・・・あ、またチャイム。新しいお客様は誰ですの~

あら、あなただったんですの!?え、長旅からさっき王都に戻ったばかりですの?来てくれてありがとうですの!

王都への入国審査が厳重で遅れたんですの?大丈夫ですの!ちょうどこれから始まるところですの!

そうそう、あなたにご紹介したい人たちがいるんですの!こちらは噂好きのアラーニャ、こっちが幼馴染のエリィ。実はロゼは小さい頃に2回大きな危機に遭ってて―

最初に救ってくれたのは騎士さんだったんですの。でも、ロゼが小さい頃だったので顔を覚えていないんですの・・・。



もう1回はこのエリ・・・あ、エリィ、どこ行くんですの!?す、少し気まぐれな女の子なんですの・・・

え、何のパーティですのって?知らずに来たんですの?この時期と言えばもちろん・・・ハッ!?

この香ばしくてジューシーで、かつほのかに漂う危険な香り・・・

キャー!!これはマリーヌ特製唐揚げセンパイの匂いですの!!

あなたが持ってきてくれたんですの?マリーヌから渡されて?



え、唐揚げセンパイを知らないんですの!!?・・・と言ってもロゼが敬意を込めて勝手に呼んでるだけなんですの。

唐揚げセンパイの味は、ロゼが大好きだったおばあちゃんの唐揚げにそっくりなんですの~

でも、おばあちゃんにはもう会えないんですの・・・だから、マリーヌの唐揚げセンパイがとても楽しみなんですの!

マリーヌが来てくれれば、唐揚げセンパイが毎日食べ放題ですのに・・・あっ!閃きましたの!

マリーヌは唐揚げ屋さんを開けばいいんですの!そしたらロゼは毎日通うんですのよ!?え、これは何の肉か・・・ですの?・・・



さ、さぁ!パーティの準備ができたみたいなの!あなたも席について!

コホン・・・えー、本日はお集まりいただき、大変ありがとうございますですの。

この一年、色々ありましたの・・・マッチョなスペシャルBOSSが出てきたり、バトルくんがペットになったり・・・

マーリンが小さくなったり・・・マーリンが巨大ロボになったり・・・一体、マーリンは何を目指してるんですの?

えー・・・こうしてポケットナイツが4周年を迎えることができましたのも、本当に本当に皆様のおかげですの!!



皆様が支えてくださったおかげで、今日という日を迎えられましたの!・・・本当に心よりありがとうですの!

みんな、お手元にグラスはございますの?・・・それでは・・・ポケナイ4周年を祝して―

『乾杯!!!』

次は5周年!いや、50周年、500周年を目指すんですの!!

さぁ、みんなどんどん食べてほしいの!最近は魔王軍もずいぶん静かに・・・シッ!・・・これは・・・何の音ですの・・・?



<ザッザッ・・・>

何か不吉な予感がするんですの・・・この音は家の中から?・・・それとも外・・・?

<バタン!!>

キャアアアァァァァァァ・・・ですの!!!



ま、魔王軍!!?何で王都にいるんですの!

あ、さすがマーリン!箒で飛び回って攻撃ですのね!がんばれ、マーリン!魔王軍を追い払ってほしいんですの!

あぁ!マーリンの箒が引っかかって、危ないんですの!エイッ!

あわわわ、唐揚げセンパイを投げてしまいましたの!食べ物を投げたらおばあちゃんに怒られるんですの。キャー!こっちに魔王軍が!

<ガキィィン!!>



た、助かりましたの。あなたがいてくれて良かったんですの!

あなたもマーリンと一緒に戦ってくれるんですの!?

あぁぁ・・・さすが騎士さんたちなの!小さい頃はあまり好きじゃなかったけと・・・やっぱり王都には騎士さんが必要なの!

あ、あれ?もう魔王軍が逃げていくんですの!数も少ないし、もしかしてあれは偵察隊なんですの・・・?

でも、ひとまず魔王軍を追い払えましたの!!ありがとうですの!!



あぁぁ・・・せっかくのパーティがめちゃくちゃに・・・と言ってもほとんどマーリンが壊してたような気がしますの・・・

マ、マーリンを責めてるわけじゃないんですの!悪いのは魔王軍ですの!魔王軍め~!

あなたも一緒に戦ってくれてありがとうなの!とっても強くてビックリしたんですの!

それにしても魔王軍はどこから王都に侵入したんですの??王都は今4周年で厳戒態勢なのに・・・

エリィ、こんなときに鏡で自分の顔をチェックするなんてマイペース過ぎるんですの!



え?ア、アラーニャ?今、何て言いましたの・・・?なな、何てことを言うんですの!?

エリィが魔王軍を王都に引き入れたなんて・・・何でそんなことを言うんですの!?

エリィが魔王軍と話してたっていう噂を聞いた?そ、そんな噂は信じないでほしいんですの!

ねぇ、エリィ。エリィから言って欲しいんですの!『私は魔王軍とは関係ない!』って。

・・・エリィ。何で何も言ってくれないんですの・・・?



あ、エリィ、どこに行くんですの?もう帰るんですの!?エリィ!

行ってしまったんですの・・・

もう!何ですの、アラーニャ!その勝ち誇った顔は!

ロゼはエリィが魔王軍を引き入れるなんて、そんなことをするとは思えないんですの・・・

あなたはエリィを信じてくれるんですの?



そうですのね・・・まだ何も分からないのに無理ですのね・・・

確かに最近のエリィは元気がなくて心配だったんですの。

だから今日のパーティはエリィが元気になるように、と思って開いたんですの。でも逆効果だったんですの・・・

エリィは、ほんとはほんとは、とっても明るくてかっこいい女の子なんですの!ロゼの憧れなんですの!

さっき言いそびれたんですけど、ロゼは昔、エリィに助けてもらったことがあるんですの。



だからもしエリィが困ってるなら今度はロゼが助けてあげたいんですの!

何ですの?アラーニャ。エリィを尾行すれば魔王軍とつながってるかどうか分かるって言うんですの?

確かに・・・疑いを晴らすにはそれが一番ですのね・・・

あなたは友達を尾行するのは良くないって言うんですの?

確かに・・・ロゼが友達に尾行されるって考えたらあまりいい気はしないんですの・・・



う~~~ん、どうしたらいいんですの~~!?

ハッ、そうですの!尾行がパレなければ何の問題もないんですの!ロゼって頭いいんですの!

止めないでほしいんですの。これもエリィのためなんですの!

そうと決まれば早くエリィを追わないといけないんですの!それではみんな、ごきげんようですの!

―エリィが家に帰るとすると、こっちの道を通るはずなんですの・・・あ、いた!



エリ・・・!間違えたんですの!尾行してたのに、普通に声をかけるところでしたの。

・・・何だかエリィの後ろ姿がいつもより寂しそうに見えるんですの・・・

あぁ、声をかけてあげたいんですの・・・

友達を尾行するのって、あまりいい気分ではないんですの・・・

でもこれでエリィの無実を証明できるのなら仕方ないんですの。



あ、あれ?エリィが家とは違う方向に歩いていってるんですの。

お、お花屋さんに行くんですのね?きっと。エリィはお花が大好きですもの。

あ、あれ?エリィがお花屋さんを通り過ぎていくんですの。

じゃあ本屋さん・・・も通り過ぎたんですの・・・

エリィ、どこに行くんですの?ロゼは胸がドキドキしてきたんですの・・・



あの角を曲がって・・・あ、エリィが突然走りだしたんですの!待ってほしいんですの!

確かこの角を曲がっ・・・ひゃああぁ!エ、エリィ!!?こんなところに立って驚かせないでほしいんですの!

び、び、尾行?何のことですの?ロゼはビコウの意味がわからないんですの。

ロゼは本屋さんに・・・え、本屋さんはもう通り過ぎてるんですの?あ、あれ?じゃあロゼは迷子になったんですのね。

じゃ、じゃあエリィは何でこんなところにいるん・・・ですの?



ロ、ロゼに関係ないことないんですの!何てこと言うんですの!?ロゼとエリィは親友なんですのよ!!?

親友は尾行したりしないって・・・ロ、ロゼはエリィが心配で・・・

本当にエリィは魔王軍に会ってない・・・んですの?

『直接みたの?』ってロ、ロゼがですの!?ロゼが見たわけではなくて、噂で―

ロ、ロゼは噂を信じてるわけではないんですの!



でも魔王軍は人の弱みにつけこんでくるって聞くんですの。だからもしエリィが・・・

あ、待って!・・・怒って行ってしまったんですの・・・はぁ・・・

エリィの行き先ってもしかして・・・

・・・あら、こんなところで会うなんて、あなたもパーティを抜けてきたんですの?え、ロゼが心配で探しに来てくれたんですの?

結局尾行が見つかってエリィと喧嘩してしまったんですの・・・



エリィと喧嘩するなんていつ以来なんですの・・・

昔はよくしてたんですけど、最近は喧嘩するほど話をしてなかった気がするんですの。

はぁぁ、どうしたらいいんですの・・・

あなたはロゼが謝った方がいいって言うんですの?

ううぅ~・・・ロゼが悪いんですの?・・・そうですのね、今からエリィに謝ってくるんですの。



あなたも一緒に行ってくれるんですの?ありがとうですの。

でもこれはロゼとエリィとの問題だから、ロゼ一人で行くんですの。

それにロゼはエリィに謝りに行く前に、行くところがあるんですの。

できればそっちに一緒に来てほしいんですの。実はロゼ・・・

でもでも!これはまだ確実じゃないから、やっぱり他の人には言えないんですの!



同じ過ちを繰り返しては駄目なんですの・・・

自分から言っておいてごめんなさいですの。ロゼはがんばって一人で行ってくるんですの!

・・・それにしてもいったい誰が魔王軍を王都に引き入れてるんですの・・・?

また王都に魔王軍が攻めてくるんですの・・・?

ロゼの知らないところで何かが動き始めてるようで怖いんですの・・・



でもロゼが気にしても仕方ないんですの!

何かあったらあなたやマーリンが助けてくれるって信じてるんですの!

ふふふ、ロゼは一方的に頼りにしてるんですのよ。

あ、そうなんですの!あなたにこれを差し上げるんですの!

もしかしたら今後あなたの役に立つかもしれないんですの。



それじゃあロゼは一人で行くところがあるんですの!

友達なら尾行したら駄目なんですのよ!

では行ってくるんですの~。今日は食べ損ねたから、明日一緒に唐揚げセンパイを食べに行くんですの!

・・・

<・・・そしてロゼは姿を消した>



ロゼの唐揚げ大冒険!

んっしょ、んっしょ・・・

ふぅ・・・12345678。これで椅子は人数分揃ったんですの。

・・・え?6人なんですの?8人じゃなくて?せっかく重い椅子を運んできたのに・・・

あ、垂れ幕が・・・ねぇ、マーリン、垂れ幕が傾いてるから直してほしいんですの。

もうちょっと下に・・・あぁ、マーリン!箒がカーテンに引っかかってるんですの!あ、垂れ幕はぴったりですの!



ありがとうですの、マーリン!・・・あ、またチャイム。新しいお客様は誰ですの~

あら、あなただったんですの!?え、長旅からさっき王都に戻ったばかりですの?来てくれてありがとうですの!

王都への入国審査が厳重で遅れたんですの?大丈夫ですの!ちょうどこれから始まるところですの!

そうそう、あなたにご紹介したい人たちがいるんですの!こちらは噂好きのアラーニャ、こっちが幼馴染のエリィ。実はロゼは小さい頃に2回大きな危機に遭ってて―

最初に救ってくれたのは騎士さんだったんですの。でも、ロゼが小さい頃だったので顔を覚えていないんですの・・・。



もう1回はこのエリ・・・あ、エリィ、どこ行くんですの!?す、少し気まぐれな女の子なんですの・・・

え、何のパーティですのって?知らずに来たんですの?この時期と言えばもちろん・・・ハッ!?

この香ばしくてジューシーで、かつほのかに漂う危険な香り・・・

キャー!!これはマリーヌ特製唐揚げセンパイの匂いですの!!

あなたが持ってきてくれたんですの?マリーヌから渡されて?



え、唐揚げセンパイを知らないんですの!!?・・・と言ってもロゼが敬意を込めて勝手に呼んでるだけなんですの。

唐揚げセンパイの味は、ロゼが大好きだったおばあちゃんの唐揚げにそっくりなんですの~

でも、おばあちゃんにはもう会えないんですの・・・だから、マリーヌの唐揚げセンパイがとても楽しみなんですの!

マリーヌが来てくれれば、唐揚げセンパイが毎日食べ放題ですのに・・・あっ!閃きましたの!

マリーヌは唐揚げ屋さんを開けばいいんですの!そしたらロゼは毎日通うんですのよ!?え、これは何の肉か・・・ですの?・・・



さ、さぁ!パーティの準備ができたみたいなの!あなたも席について!

コホン・・・えー、本日はお集まりいただき、大変ありがとうございますですの。

この一年、色々ありましたの・・・マッチョなスペシャルBOSSが出てきたり、バトルくんがペットになったり・・・

マーリンが小さくなったり・・・マーリンが巨大ロボになったり・・・一体、マーリンは何を目指してるんですの?

えー・・・こうしてポケットナイツが4周年を迎えることができましたのも、本当に本当に皆様のおかげですの!!



皆様が支えてくださったおかげで、今日という日を迎えられましたの!・・・本当に心よりありがとうですの!

みんな、お手元にグラスはございますの?・・・それでは・・・ポケナイ4周年を祝して―

『乾杯!!!』

次は5周年!いや、50周年、500周年を目指すんですの!!

さぁ、みんなどんどん食べてほしいの!最近は魔王軍もずいぶん静かに・・・シッ!・・・これは・・・何の音ですの・・・?



<ザッザッ・・・>

何か不吉な予感がするんですの・・・この音は家の中から?・・・それとも外・・・?

<バタン!!>

キャアアアァァァァァァ・・・ですの!!!



マーリン!ロゼの唐揚げセンパイを食べないでほしいんですの!!!

な、何でロゼがあれだけ力説した唐揚げセンパイを食べられるんですの!!?

・・・嘘・・・ですのよね?まさか全部食べたわけではない・・・んですのよね・・・?

まだあるんですの?ホッ・・・本当に全部マーリンが食べてたらどうしようかと思いましたの・・・

さっきの音はマーリンが唐揚げセンパイを食べる音だったんですのね。ロゼが慌ててマイクを倒してしまったんですの。



・・・えっと・・・マーリンがまだ残ってるって主張してるのは、この米粒みたいな唐揚げセンパイ?のことですの?

<モグ・・・>

あぁ、この一瞬でとろけるような衣・・・ゴクリ・・・

お肉が入ってないんですの!!マーリンのばかぁ!!

<バタン!!>



・・・はぁ、せっかくのパーティなのに怒って出てきてしまったんですの。

乾杯直後に唐揚げセンパイを全部食べてしまうなんて、フクロうさぎの常識を疑うんですの。

それともフクロうさぎ界では当たり前の行動なんですの?

はぁ・・・だめだめ、とりあえず唐揚げセンパイのことは忘れるんですの。

こういうときは何か楽しいことを考えるんですの。楽しいこと・・・唐揚・・・あわわわわ。



あら?ロゼの後を追ってくる人がいるんですの。

どうしたんですの?あなたもパーティを抜けてきたんですの?

謝りたい?何であなたが謝るんですの??

あなたの持ってきた唐揚げセンパイが原因で喧嘩したから、ですの?

むむむ・・・またマーリンのことを思い出してしまったんですの!



マーリンに伝えてほしんですの!謝罪は「ブツ」以外受け取らないって!

<バタン!!>

「ブツ」が届くまで家から一歩も出ないんですの!

あ、ただいま。ママ。え?ドアの閉める音がうるさかったですの?・・・だってマーリンが・・・

何でもないですの。もうロゼは疲れたから放っておいてほしいんですの・・・



後で、後で聞くんですの!少しベットで休ませてほしいんですの・・・

<バフッ>

・・・4周年でみんなに会えて嬉しかったんですの。あの人も遠くから戻ってきてくれたし、エリィもいたし、マーリンも・・・

・・・唐揚げセンパイ、食べたかったんですの・・・う~!バタバタ!・・・あのフクロうさぎが・・・

ハッ!?気分がダークサイトに落ちるところだったんですの!危うくダークロゼちゃんが登場するところだったんですの・・・



誰も見たことがないというダークロゼちゃん・・・ロゼすら見たことがないという・・・

さ、さ!こういうときは気分を変えるためにお着替えするんですの!

ロゼはお洋服をいっぱい持ってるからどれを着ようか迷うんですの~

もうクローゼットがいっぱいですの!もっとクローゼットを増やしてほしいんですの・・・

それにクローゼットが一つだとどこに何があるか探すのが大変ですの・・・



ロゼはクローゼットが複数に分かれてると便利だと思うんですの!要望のお手紙を書こうかしら?

『いつもお世話になっておりますの。ロゼですの。このたびは要望があって、お手紙しましたの・・・

要望というのは他でもありませんの。マリーヌの森から唐揚げセンパイを出してほし・・・』ハッ!また頭が唐揚げセンパイのことを!

だめですの!先に着替えるんですの!最近ガチャで手に入れたばかりの「魔法のヴェスティト」を着るんですの~

とっても可愛くてロゼのお気に入りなんですの~この純白な生地がロゼの心を映し・・・!?き、生地がうっすら黄ばんでるんですの!!?



<ドタドタ>

ママ!ママ!なんで洗ったばかりの真っ白なお洋服が日焼けしたみたいに黄ばんでるんですの!?

分からないんですの!?これじゃまるでカラバリですの!

『あっ・・・』って何ですの・・・色移りしたんですの!?信じられないんですの!

・・・黄色の新しいお洋服と一緒に洗ったんですの!?別々に洗って、ってお願いしたんですのよ!?



『大体、新しいお洋服を買いすぎですの!』ですの!?

そ、それは今は関係ないですの!大体それを言うならママのほうがロゼよりガチャをずっとたくさん回してるんですの!

『そ、それは今は関係ないですの!』って、ズルいんですの!ママはいつも・・・<ピロリ~ン>

これはロゼのアラームですの、アラーム!ガチャを回した音ではないんですの!喧嘩しながらガチャは回さないんですの!

ちょっと待って!ママ、ちょっと待ってほしいんですの!ロゼは告知のお仕事があるんですの!



『こんにちは!ロゼですの! 本日スタートするイベントは・・・』ママ、今つぶやいてるから待ってほしいんですの!

あぁ、もう!ママはロゼの邪魔をしてばっかり!ロゼは早く一人暮らしをしたいんですの!

『なら出ていけばいいじゃないですの!』ですの!?い、言ったんですのね!分かったんですの。えぇ、分かりましたですの。

家出するんですのよ!昔、魔王軍がやってきたとき以来、何年ぶりかで家出してやるんですの!

何!?止めないで、ママ!ロゼは意思の強い女の子・・・『薄汚れた服を持っていってほしいんですの』・・・う、薄汚れてないんですの!



色移りですの!たいだい色移りさせたのはママなんですのよ!?

もうほんとにママのことなんか知らないんですの!ほんとに家出するんですの!

お洋服を詰められるだけ詰めて・・・お気に入りのお人形さんももちろん詰めて・・・後、またお洋服と・・・

もううちには戻ってこないんですものね。全部の季節のお洋服を持っていかないと・・・

それじゃあママ、今までお世話になったんですの。ごきげんようですの・・・止めるなら今が最後のチャンスですのよ・・・?



あぁ、そうですのね!そういう態度なんですのね!えぇ、えぇ結構ですのよ!さよならですの、ロゼママ!<バタン!>

もうこんなうちに二度と戻らな・・・キャアア!<ドカッ!>

・・・イタタタタタ、何でマーリンがうちの前にいるんですの?・・・あら?あなたまで。

この匂い!もしかして唐揚げセンパイを持ってきてくれたんですの!?

さすがマーリンですの!フクロうさぎの中のフクロうさぎ!ジェントルマンなんですの!



ぶつかった拍子にロゼは何か落としたみたいなんですの・・・あら?マーリンの足元にも何かが散らばってますのよ?

あれ?このつやつやと油が輝き、星空のように地面を照らし、そして猫さんが食べてるのってまさかマーリン・・・

うわぁぁぁん!唐揚げセンパーーーイ!!

<ロゼが走り去り・・・そしてロゼとの連絡が途絶えた>

【ロゼの唐揚げ大冒険!編開幕】



夢彷徨う少女ロゼ

んっしょ、んっしょ・・・

ふぅ・・・12345678。これで椅子は人数分揃ったんですの。

・・・え?6人なんですの?8人じゃなくて?せっかく重い椅子を運んできたのに・・・

あ、垂れ幕が・・・ねぇ、マーリン、垂れ幕が傾いてるから直してほしいんですの。

もうちょっと下に・・・あぁ、マーリン!箒がカーテンに引っかかってるんですの!あ、垂れ幕はぴったりですの!



ありがとうですの、マーリン!・・・あ、またチャイム。新しいお客様は誰ですの~

あら、あなただったんですの!?え、長旅からさっき王都に戻ったばかりですの?来てくれてありがとうですの!

王都への入国審査が厳重で遅れたんですの?大丈夫ですの!ちょうどこれから始まるところですの!

そうそう、あなたにご紹介したい人たちがいるんですの!こちらは噂好きのアラーニャ、こっちが幼馴染のエリィ。実はロゼは小さい頃に2回大きな危機に遭ってて―

最初に救ってくれたのは騎士さんだったんですの。でも、ロゼが小さい頃だったので顔を覚えていないんですの・・・。



もう1回はこのエリ・・・あ、エリィ、どこ行くんですの!?す、少し気まぐれな女の子なんですの・・・

え、何のパーティですのって?知らずに来たんですの?この時期と言えばもちろん・・・ハッ!?

この香ばしくてジューシーで、かつほのかに漂う危険な香り・・・

キャー!!これはマリーヌ特製唐揚げセンパイの匂いですの!!

あなたが持ってきてくれたんですの?マリーヌから渡されて?



え、唐揚げセンパイを知らないんですの!!?・・・と言ってもロゼが敬意を込めて勝手に呼んでるだけなんですの。

唐揚げセンパイの味は、ロゼが大好きだったおばあちゃんの唐揚げにそっくりなんですの~

でも、おばあちゃんにはもう会えないんですの・・・だから、マリーヌの唐揚げセンパイがとても楽しみなんですの!

マリーヌが来てくれれば、唐揚げセンパイが毎日食べ放題ですのに・・・あっ!閃きましたの!

マリーヌは唐揚げ屋さんを開けばいいんですの!そしたらロゼは毎日通うんですのよ!?え、これは何の肉か・・・ですの?・・・



さ、さぁ!パーティの準備ができたみたいなの!あなたも席について!

コホン・・・えー、本日はお集まりいただき、大変ありがとうございますですの。

この一年、色々ありましたの・・・マッチョなスペシャルBOSSが出てきたり、バトルくんがペットになったり・・・

マーリンが小さくなったり・・・マーリンが巨大ロボになったり・・・一体、マーリンは何を目指してるんですの?

えー・・・こうしてポケットナイツが4周年を迎えることができましたのも、本当に本当に皆様のおかげですの!!



皆様が支えてくださったおかげで、今日という日を迎えられましたの!・・・本当に心よりありがとうですの!

みんな、お手元にグラスはございますの?・・・それでは・・・ポケナイ4周年を祝して―

『乾杯!!!』

次は5周年!いや、50周年、500周年を目指すんですの!!

さぁ、みんなどんどん食べてほしいの!最近は魔王軍もずいぶん静かに・・・シッ!・・・これは・・・何の音ですの・・・?



<ザッザッ・・・>

何か不吉な予感がするんですの・・・この音は家の中から?・・・それとも外・・・?

<バタン!!>

キャアアアァァァァァァ・・・ですの!!!



ま、魔王軍!!?何で王都にいるんですの!

あ、さすがマーリン!箒で飛び回って攻撃ですのね!がんばれ、マーリン!魔王軍を追い払ってほしいんですの!

あぁ!マーリンの箒が引っかかって、危ないんですの!エイッ!

あわわわ、唐揚げセンパイを投げてしまいましたの!食べ物を投げたらおばあちゃんに怒られるんですの。キャー!こっちに魔王軍が!

<ガキィィン!!>



た、助かりましたの。あなたがいてくれて良かったんですの!

あなたもマーリンと一緒に戦ってくれるんですの!?

あぁぁ・・・さすが騎士さんたちなの!小さい頃はあまり好きじゃなかったけと・・・やっぱり王都には騎士さんが必要なの!

あ、あれ?もう魔王軍が逃げていくんですの!数も少ないし、もしかしてあれは偵察隊なんですの・・・?

でも、ひとまず魔王軍を追い払えましたの!!ありがとうですの!!



あぁぁ・・・せっかくのパーティがめちゃくちゃに・・・と言ってもほとんどマーリンが壊してたような気がしますの・・・

マ、マーリンを責めてるわけじゃないんですの!悪いのは魔王軍ですの!魔王軍め~!

あなたも助けてくれてありがとうなの!とっても強くてビックリしたんですの!どこのギルドにいるんですの?・・・どうりで強いと思ったんですの。

それにしても魔王軍はどこから王都に侵入したんですの??え?王都に自在に侵入できるって言ってたんですの!?魔王軍が?

・・・昔もこういうことがあったんですの。まだ私が小さい頃。ギルドが結成されるきっかけになった魔王軍の侵略・・・



きっとどこかに侵入口があるはずですの。そこを閉じないと、きっとまた魔王軍が現れるんですの。

こうしてはいられないんですの!逃げていった魔王軍の後を追って、侵入口を探さなきゃですの!止めないでほしいんですの!

・・・おかしいんですの。魔王軍はこっちの方に逃げたはずなんですの・・・ねぇねぇ、そこで日向ぼっこしている猫さん。魔王軍を見かけませんでしたの?

あ、猫さん、どこへ行くんですの?・・・もしかして、ついて来いってことですの??ちょ、ちょっと待って!あわわわ、ロゼは堀の上は歩けないんですの。

下の路地を歩くしか・・・路地は狭くて歩きにくいんですの。あぁ、お気に入りの靴が泥だらけなんですの。



お洋服も壁にこすれて・・・あっ!?今ビリって!ビリって音がしたんですの!?・・・う~~、引き返したいんですの・・・

で、でも魔王軍に侵略されてしまうとお洋服の心配どころでは済まないんですの。ここはロゼが頑張るしかないんですの!猫さん、待って!

一人で来てしまったけど大丈夫なんですの?マーリンやあの人にもついて来てほしかったんですの・・・

あ、ようやく広いところに出たんですの・・・キャー!ね、猫さん、ここは・・・?

にゃー!猫さんがいっぱい!!もしかしてここは天国・・・ではなく猫さんのたまり場なんですの?



にゃー、と言われても・・・ロゼを魔王軍の侵入口ではなく、猫さんの集会に連れてきてくれたんですのね。

こうなったらとりあえず猫さんたちと遊んで・・・あれ?あそこで猫さんと遊んでいる人はどこかで見たことが・・・あっ、行ってしまうんですの。

—気になって追いかけてきてしまいましたの・・・でも心のどこかであの人に関わらないほうがいいと感じているような・・・ハッ!

急に後ろを振り向かないでほしいんですの!危うく見つかるところでしたの・・・ドキドキですの・・・

それにしてもあの人とどこで会ったのか思い出せないんですの・・・ロゼの何かが思い出すのを邪魔してる感じなんですの。



・・・何回も何回も角を曲がり、どこまで行くんですの・・・あ!ようやく立ち止まったんですの。

大きなお屋敷・・・王都にこんな場所があるなんて知らなかったんですの・・・あ、あの人がお屋敷の中に入っていきましたの!

名前を見れば思い出せるかも・・・表札がないんですの。う~ん、屋敷のドアが少し開いてるんですの・・・こうなったら少しだけ中をのぞき見・・・ひゃああああ!!

ド、ドアの隙間からこっちをのぞいてたんですの!?ロゼの尾行に気づいてたんですのね!?・・・!!あぁぁ、その顔、思い出したんですの・・・

・・・あら?こんな所にどうしてあなたが?・・・ロゼを心配して探しに来てくれたんですの?



ありがとうですの・・・ロゼの顔が青白い?・・・そ、そんなことないですの。大丈夫ですの!

そんなことより!魔王軍の侵入口を教えてもらえるかもしれないんですの!

ついてきてくれるんですの?でもでも「相手から一人で来るように」って言われたから・・・怖いけど、一人で行ってくるんですの。代わりにお願いがあるんですの。

これからロゼが行くのは『夢の世界』なんですの。もし・・・もしロゼが目覚めなかったら、これを使ってロゼを探しに来てほしいんですの。

魔王軍の侵入口にもつながるはずですの。ヒントだけでも教えてあげたいけど、不確かな情報は教えられないんですの。そんなことをしたらまたロゼのせいで・・・



ほんとですの!?約束してくれるんですの!?ありがとうですの・・これで安心して夢の世界に旅立てますの。

ロゼが会う相手?あなたは会ったことがない人なんですの。もう魔王軍は辞めたみたいなんですけど、とても怪しくて危険な人なんですの。

もしかしたら約束も守ってくれないかもしれないんですの・・・でも、ロゼは人を疑って自分を嫌いになるロゼより、疑わずに騙されたロゼの方が好きなんですの。

さ、さ!明日目が覚めて、全て解決したら、一緒にマリーヌの唐揚げセンパイを食べに行くんですの!ではでは、ちょっと行ってくるんですの~。



・・・

<・・・そしてロゼは目覚めることなく眠り続けた>

【夢彷徨う少女ロゼ編開幕】



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コメント (第一章 はじまりの花言葉)
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  • 最終投稿日時 2017/09/25 08:56
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