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召喚士ツェツィーリア

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4/14~4/27

鏡の子については、こちらを参考にして下さい。→魔鏡のエミリエ


孤独な少女ツェツィーリア

「お外で遊んできなさいツェツィーリア」でもママ、お外はとっても危険だわ

「学校へ行ってお友達を作っておいでツェツィーリア」でもパパ、わたしは魔法のお勉強のほうが楽しいわ

「ツェツィーリア、誕生日プレゼントは何がいい?」パパママ、わたしプレゼントなんていらないわ

いつか欲しいものは自分の力で手に入れるの・・・だってわたしはパパとママの子なんですもの!

―ごきげんよう、迷いビトさん!わたしはツェツィーリア!



ねぇ、わたしとっても退屈なの。いっしょにおままごとをしましょう?

ここは何処なのか?ここはわたしが暮らすお屋敷よ。ツェツィーリアのお屋敷。

ここに来た記憶がない?アナタが自分で迷い込んできたのよ。扉を開けたのも、アナタ。

わたしが召喚したわけでもないのに、この屋敷に辿り着けたなんてすごいわ!きっとアナタは特別な人なのね?

ツェツィーリアも特別なのよ。パパもママも偉大な魔道士。二人の間に産まれたわたしは特別な子なの。



さぁ、そこに座って!おままごとをしましょう!

配役?・・・なにがいいかしら?うーん、赤ちゃん?それもとペット?・・・イヤなのね?

じゃあ、きょうだい役でいいわ!わたし、おねえさん役を一度やってみたかったの!

それじゃあさっそく、おやつの時間にしましょう!

飲み物は何がいい?コーヒー、紅茶、美味しいオレンジジュース・・・好きなものを出してあげるわ!



うーん・・・どうせなら、色んな味を楽しめた方がいいわよね?全部出しちゃいましょう♪

どうやって出したのかって?おねえさんにかかれば、このくらい簡単に召喚できちゃうんだから!

ほら!クッキーにケーキにチョコレートもこのとおり!ねぇ、他には何が食べたい?

・・・オダンゴとタイヤキが食べたい?・・・ナ、ナニソレ??

ふーん、お外にはそういうお菓子もあるのね・・・食べたことも聞いたこともないわ。とてもおいしそうね!



召喚は・・・で、できないわけじゃないけど!わたしが知らないモノは・・・とても時間がかかるのよ!残念!残念だわ!

気を取り直して、お夕飯の準備をしましょう?お気に入りのお皿とカップがあるの!今日は豪華にキャンドルも立てましょう!

・・・キッチンの場所?なんで?お料理も好きなだけ召喚すれば良いのよ?

アナタもパパと同じなのね。魔法があるのに、なぜ食材を切るところからはじめるの?とっても不思議。

ママも、魔法で簡単に作れるはずなのに、糸と針でお人形を作っていたわ。



魔法なら簡単。お勉強すれば何だってできるの。だからわたし、もっと魔法のお勉強をしたかった。

立派な魔道士にはやくなりたかったの。なのに、ある日突然魔法を使うことを禁止された・・・

せっかくいろんな魔法が使えるようになってきたのに・・・パパとママはわたしの夢をしっているはずなのに・・・

だから、パパの書斎から魔導書を何冊か持ってきて、勉強をする為にこのお屋敷を召喚したの。

扉の中に入る前に、パパとママは必死に何か叫んでいたけれど、きっとまた止められると思って、すぐに扉を閉めたわ・・・



いまよりたくさんの魔法を使いこなせるようになって出てきたら・・・

きっと、もっと褒めてくれるはず・・・

・・・え?お料理の手伝い?もうっ!わたしがおねえさん役なのに!・・・わかったわ。この食材を混ぜればいいのね?

あとはこれを、焦がさないように炒める?火加減?中火?中火ってどのくらい?!わ、わからないわ!どうすればいいの?!

最後にトマトを盛り付ける?どう置けば正解なの?好きに、置けばいいの??



そ、そう!トマトでネコちゃんの形を作ってみたの!好きに置いていいって言ったから・・・かわいい?ありがとう!

そのお野菜、焦げてない?うまくできてる?

お、おいしいのね・・・?ふふ、よかった!

うん、うれしい。それに・・・

ちょっと楽しかったわ・・・



―誰かとおしゃべりしながらおやつを食べるのも、一緒にお食事したのも、こうやって眠るのも・・・とても久しぶり。

ねぇ、他のお料理も作れるの?よかったら、明日も教えてくれる?

そのお料理をツェツィーリアが一人で作ったら、パパとママおどろくかな。中級魔法を見せたあのときより、もっとおどろく気がするわ。

今日みたいに、おいしいっていってくれたら、うれしい・・・

なんでだろう、すごくワクワクする。お料理していた時のパパも、こんな気持ちで作っていたのかな?



え?一緒にお買い物?・・・お屋敷の、外へ?

・・・うん。うん!わかった!

ふふ、はやく明日にならないかしら・・・お外に出るのとてもたのしみ・・・

こんな気持ちはじめてなの。ありがとう。迷いビトさんに、会えてよかった・・・

うん、また明日・・・

おやすみなさい・・・



召喚士ツェツィーリア

うーん、こう、かしら??

ちがう?・・・え~っと??あ!わかったわ!こうね?!

うらーっ!!!

・・・ひっ!う、嘘。人間が出てきた。この魔法陣には人間が封印されていたの?

え?ご飯を食べていたら突然この部屋に飛ばされてきた?(クスクスクス)



コラッ!笑わないの!!(・・・)

ごめんなさい。この魔法陣はモノや人を転送する類のものだったみたい・・・珍しい術式だったからつい発動してみたくなっちゃって・・・

いますぐ帰してあげたいけど、わたしの力じゃ無理みたい・・・本当にごめんなさい。

あの、お名前は?わたしはツェツィーリア!よろしくね。

ここは何処なのか?ここは東の森の洋館よ。今は誰も住んでいないみたいだけれど。



初めてここを訪れたのは、学校の帰り道・・・誰かに呼ばれるような声がして森の中に入ったら、この洋館に辿り着いたの。

願いを叶える魔鏡がある魔洋館の噂、アナタは聞いたことがあるかしら?どうやらここがその洋館だったみたい。

噂とは少し違ったけれど・・・会話が出来る鏡は本当にあったわ。誰かのいたずらで鏡は粉々に割られていたけれど・・・欠片から、ちゃんと声が聞こえたの!

「ねぇアナタ、暇ならちょっと力をかしなさい」って・・・!

その鏡・・・その鏡の中の子がね、本の中に閉じ込められている子たちを出してあげてくれって相談してきたの。



誰がこんなことをしたのかしらね・・・ページ1枚1枚に霊魂や精霊を閉じ込めて標本にするなんて・・・ひどすぎる・・・

異形召喚なんてやった事はなかったけれど、鏡の子が色々助けれくれて、この子たちを外に出してあげることができたわ。

今ではみんな、わたしのトモダチよ!(イエーィ!)

それから時々、この洋館の中を調べたり、その鏡の子に会いに来ているの。

最初は、アンタは用済みよ出ていきなさいなんて言われて、突き放されたけれど・・・



割れた鏡の、小さな破片の中でうずくまっているのをみていたら、なんだか放って置けなくて。

会いに行く回数が増えて、少しずつ昔話もしてくれるようになったわ。

自分は魔女に作られたこと、魂を喰らう恐ろしい鏡だったこと・・・

そして自分はもう、ここから一生出られないこと・・・

自分は鏡の中から出られないけれど、本の中の子たちは出られる方法がまだあったから・・・わたしを呼んだんですって。



でもわたしは、鏡の中の子も出してあげられないか、方法を探しているの。

危険じゃないか?魂を喰らう鏡・・・そうね。普通は、危ないって思うわよね。

でも、本に閉じ込められていたこの子たちは・・・一人の時の苦しみを知っていたから・・・

「タスケテアゲテ」って文字に書いて、必死にわたしに見せてきたわ・・・。

鏡の子は「無駄なこと」だとか「放って置いて」とか言って完全に諦めちゃっているけど・・・わたしは頑張ってみるつもり。



「魔女に作られた」って言っていたけれど、もし鏡の中の子も霊魂ごと鏡の中に閉じ込められた存在なら、こちらの世界に召喚してあげられるかもしれないわ。

まだ方法は分からないけれど・・・この屋敷や魔女に関して調べて、手がかりがないか探してみる。

・・・?

なんだろう、上でみんな騒いでいる。何か、持ってきたみたい。

これ・・・割れた鏡の縁・・・裏に何か書いてあるの?



名前?もしかして・・・鏡の真名?・・・もしそうなら、出来るかもしれない?やれるかもしれない!

ねぇ!アナタの力も少し貸してもらえないかしら?・・・鏡の欠片をすべて集めてほしいの!

ふーむ、鏡の国からの召喚なんてはじめて。でも、精霊召喚や魔獣召喚と難しさは同じよ!きっと!・・・たぶん?(クスクスクス)

コラッ!アナタたちも手伝うの!!(ハーイッ)

はじめるわよ。ここを・・・こうして?こう?かしら??



う~ん!!違う!!もっと、こう、こうして・・・これで・・・

イケルハズ!!!

ー・・・ごきげんよう?

あぁ、やっと会えた。外の空気はどう?動けるってどんな気分?

ごめんなさい、召喚の器がこの人形しかなくて。しばらくはこのネコの人形を身体の代わりに使ってね。



不満そうだわ・・・。とてつもなく、不満そうだわ・・・。ドールハウスのお人形の方がよかったかしら・・・。

ねぇ、あれだけ一緒に話しておいて今更だけどね・・・わたしたち、オトモダチになりましょう?

エミリエ?あぁ、違うわ。アナタの名前はエミリエじゃない。

アナタの本当の名前はね・・・



人々の願いを叶え続けた魔法使いは、西の国を混沌の時代へと導いた

人々を苦しみから救い続けた魔法使いは、東の国を争いの時代へと導いた

国に裏切られた魔法使いは黒き魔女となり、産まれたばかりの王の娘をさらう

黒き魔女は騎士の手により葬られたが、王の娘は見つからぬまま・・・!



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